100年以上前に十勝の山奥で見つかった源泉。様々な苦労をしつつも大切に守られてきた秘湯が、ここにありました。
お久しぶりです
前回のブログが…1年前(!?)になってしまいました。
SatoRuです。
皆様お元気でしょうか?
1年間ブログをさぼってしまいましたが、2023年も北海道には6回(1・2・5・7・10・11月)行くことができました。
他にも関東近郊や長野・広島方面にも。
エスコンにも行ってきましたよー!
2024年は早速6年半ぶり?函館へ。
そして愛媛県今治市から広島県尾道市方面へ、しまなみ海道をサイクリングに。
本当は広島側から今治へ渡る予定でしたが、天気が悪くなる予報だったのでリスケをして今治側から広島方面へ。
旅好きな相方P氏のお陰?で北海道以外にも強制連行旅に行く機会が増えたので、北海道に限らず訪れた場所について時々更新したいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
100年以上の歴史を持つ、不死鳥のような秘湯。鹿追町『かんの温泉』
真夏日が連日続いた、2023年の夏。
SatoRuの住む仙台も、9月中旬頃まで毎日のように30度超え(!)
それは本州以南だけではなく、北海道も同様にいつもよりも夏が長く続いて。
やっと空気が優しくなってきた10月下旬に、十勝へ行ってきました。
例年なら、帯広の街中も燃えるような紅葉に覆われている季節。
ですが2023年は夏の暑さを引きずって、街中の紅葉も1週間から10日くらい遅れ。
そんな旅程で最後に宿泊したのが、鹿追町の山奥でポツンと営業している秘湯『かんの温泉』でした。
『かんの温泉』とは?
秋の紅葉で有名な『福原山荘』
鹿追町発祥のスーパー福原の創業者が所有していた山荘を、秋の1か月だけ無料で公開されています。
その福原山荘と同じ道(道道1088号)をもっと山奥に進み、その終点にあるのがかんの温泉。
明治時代に発見されて明治44年(1911年)から温泉宿として営業がスタート。
100年以上の歴史があり、そして守られてきた源泉を楽しんできました。
設備・部屋
広い駐車場から続く坂道を上がるとすぐにある温泉棟。
日帰り入浴も受付しています。
この温泉棟の後ろにあるのが宿泊棟となっています。
玄関では小熊さんがお待ちかね。
ロビーにはバードウォッチングができるように望遠鏡が。
3階にも談話エリアがあり、レンジが設置。
またアジア系の外国人スタッフが多く(!)少しドギマギしましたが、皆さんとても感じが良かったです。
山小屋のような雰囲気の部屋
2017年にリニューアルオープンしたかんの温泉。
今回宿泊した部屋は壁面に木材が使われていたり大きな煙突付ストーブが付いていて、山小屋のような雰囲気。
また部屋に広々とした洗面台とトイレが付いており、秘境らしからぬ嬉しい誤算。
携帯は圏外、テレビはBSのみ。
電気は自家発電。
弱いながらもwi-fiあり。
13の源泉、11の湯舟
到着したので早速温泉へ!
13の源泉、11の湯舟を有しているかんの温泉。
すべて源泉100%かけ流し。
また夜20時に男女入替をするので、宿泊すればすべての湯舟を楽しめます!ヨッシャー!!!
そしてかんの温泉はイレズミ・タトゥーOK!な温泉。
イレズミ・タトゥーを伝統的な縄文とアイヌ時代の魔除けや呪術、女性の美的要素、大自然の蝦夷地の習俗の一つとしてポジティブなイメージととらえているそうです。
さっそく日帰り入浴棟も兼ねている温泉棟へ。
ワクワクが止まりません!
広々とした温泉棟のロビー。
日帰り入浴の場合、券売機で入浴券を購入して右側の箱に入れるシステム。
さっそくおんせーん!!
・・・あれ?
一部の湯舟にお湯がはられていなーい!!!!
なんでもこの時は源泉の温度が低くなりすぎて、一部の湯舟にお湯をはれなかったそう。
むむ、残念…
たしかにお湯をはっていたお風呂の中にも、温水プール並みにぬるい湯舟もありました。
温泉成分がたくさんこびりついていて、ほんのり青白いお湯のインクルアンノーの湯。
茶褐色の春鹿呼(しゅんろんこ)の湯(右)と青白い秋鹿鳴(しゅうろくめい)の湯(左)
秋鹿鳴の湯はインクルアンノーの湯と同じ源泉です。
鹿が時折訪れるとか。
宿泊棟にはイコロボッカの湯、外には大きなイチイの木をくり抜いた浴槽を有する貸切露天の幾稲鳴滝(いねなるたき)の湯も。
こちらは宿泊棟にある、昔から使われていた岩風呂を半露天にリニューアルしたイコロボッカの湯。
足元から宝物ような源泉がブクブクと湧いてきます!
すべての湯舟に入れなかったのは残念ですが、宿泊人数が少ない日曜日だったのでときどき湯舟をひとり占めできました。
体はホカホカ、お肌はしっとりつやつや。気持ち良かったー
少し古いですが、この源泉・泉質の豊富さから北海道の温泉番付 西の横綱に選ばれたかんの温泉。
ひとつの宿で多種類の泉質を楽しめる、まさに横綱にふさわしい温泉です。
そして「結構無くなった温泉が多いな…」と、20代の頃に7~8年北海道で暮らしていた相方P氏が寂しそうにポツリ。
軽めでバランスの良いご飯
温泉を楽しんだ後は、夕食!
事前サーチでご飯については賛否両論があったので、ちょっとドキドキ。
1階ロビー横のレストランでいただきます。
この日は小鉢数個と、北海道らしい鮭のチャンチャン焼。
海の物の旨味が凝縮されているスープでいただく鍋。
すごく絶品!というわけではありませんでしたが、1泊2食付1万円前後と低価格な料金と豊富な源泉・付随して生じる施設管理、それらを維持しつつ運営しているので値段相応な内容だと感じました。
また客層も若い夫婦やファミリーよりも、温泉メインの年齢が少し高めな層が客層として多い宿なので、ボリューム抑えめの食事内容となるのもうなずけます。
ですが大食いSatoRuとしては、
肉が欲しい…ニクー!笑
もっとボリュームのあるご飯が食べたい!という方は、3階ロビーにレンジがあるので持ち込みをすることも一つの手。
公式ホームページに宿泊経験者限定で湯治プランの相談に応じることの記載があったので、直接宿へ相談ください。
またこの日はミュージシャンを呼んで生演奏をしていただくイベントもしており、心地よい演奏を聴きながら食事を楽しむことができました。
翌日の朝食。
こちらもバランスが良い内容でした。
不死鳥のように、二度蘇ったかんの温泉
100年以上の歴史を持つ、かんの温泉。
ですが2008年にはお湯が枯渇して閉館。
その後経営者が変わり、元の建物を撤去し大幅なリニューアル工事を経て2014年に復活。
その矢先、2016年に発生した台風災害で再び休業を余儀なくされました。
またも修繕を行って2017年に再復活!
困難、困難の連続の末に再復活した、まさに不死鳥のように蘇った秘湯、かんの温泉。
二度の休業・修繕で多額の費用が発生した中でも、1泊2食1万円前後という低価格で営業を継続。
この源泉、秘湯を守る・・・
そのような想いが、ひしひしと伝わってきます。
感謝の念を抑えきれません。
リゾートホテルのような十分な設備、豪華な料理ではない宿です。
客を選ぶ宿だと思います。
ですが魅力的な源泉・湯舟を有しており、体も心も日頃の謙遜を忘れてすごせる宿だと思います。
心行くまで、温泉を楽しみたい・・・
そんな方に、ぜひ訪れてほしい宿でした。